「デニス・クシニッチって誰？」

２００４年のアメリカ大統領選に、アメリカを含むすべての大量破壊兵器の廃絶や平和省の創設を公約に立候補した民主党下院議員がデニス・クシニッチ（オハイオ州、民主党）。ブッシュ大統領が大量破壊兵器があるからと言って、イラクを攻撃しようとしていたまさにそのときに、下院議会で「アメリカの大量破壊兵器をなくそう」と演説した。彼は民主党の１２６人をイラク戦争反対に導いた平和派のリーダーである。彼は大統領候補になったら、WTOからの脱退を公約している。WTOがどれだけアメリカの労働者と第三世界の人々と自然環境を苦しめているのか熟知しているからだ。NGO活動家ならわかるが、こういう政治家は希有だ。

アメリカのメディアは彼を泡沫候補として一切取り上げなかったが、実際は最後まで予備選挙に残って、イラクからの即時撤退を主張し続けた。ケリーと指名を争い、一部の州（ハワイやアラスカ）では上位に食い込み健闘した。そのキャンペーンは多くの草の根の支持を得て、現在、平和省創設の要となるピースアライアンスへと受け継がれている。

クシニッチの大統領選挙キャンペーンに日本から「アメリカに平和の大統領をキャンペーン」を立ち上げ、参加したきくちゆみは、その後、日本で平和省プロジェクトを立ち上げることになった。クシニッチを大統領候補へと押し上げた感動的な「アメリカへの祈り」のスピーチも一部収録されている。

編集、制作：冨田貴史
ナレーター：山川建夫
２００５年９月、３０分